16日の夜、初の計画停電だった。
ズズとガガは、初の暗闇体験。
ガガの保育園のお迎えに、ズズと向かう。
いつもの信号が消えている。
バイパスの下の交差点で、車が四方からお見合い状態。
その隙間を縫うように、横断。
ガガの保育園から、3人で歩き始める。
5方向からの交差点に差し掛かると、お巡りさんが3人。
車を止めて、横断させてくれた。
ズズもガガも、お巡りさんへの憧憬の眼差し。
どのこお店も、閉まっている。
ズズもガガも、びっくりして「なんで?」を繰り返す。
家に着き、いよいよ暗闇の中。
月が出ていたので、少しだけ外の方が明るい気がした。
いつもは、好き勝手なことをして過ごす、夕食前の時間。
なぜか、懐中電灯とラジオを前に、すりよってくる。
光のあるところに。
光ってすごい。
力がある。
「お家、壊れちゃったら、ずっと暗いの?」
4歳のガガが言う。
「お家、壊れちゃったら、ずっと寒いの?」
4歳のガガが言う。
「家で、こんだけ寒いんだから、体育館、めっちゃ寒いよね。」
8歳のズズが言う。
「だから、あんなに焚き火してるんだね。」
8歳のズズが、ラジオを聴きながら言う。
被災地の人たちの状況には、遠く及ばないけれど。
それでも、子どもなりに、自分の状況から想いをめぐらせている。
めっちゃ寒いし、めっちゃ暗いよね。
だからさ、みんなで、分ければ、少しずつ減るよね。停電が終わったあと、ガガが言った。
「地震で、おもちゃもなくなっちゃったの?」
「そうだね。おもちゃ、なくなっちゃった子、いっぱいいると思うよ。」
「じゃぁ、俺、おっきくなったら、おもちゃ買ってあげる。」ガガが言った。
そうだね、ガガ。
今、おもちゃがなくなっちゃった子には、間に合わないかもしれないけど。
ガガが大きくなった時、おもちゃがなくなって、悲しんでいる子がいたら。
その時は、おもちゃ、買ってあげてね。
「俺も、何か、あげたい。」ズズが言った。
そうだね、ズズ。
今すぐは、難しいかもしれない。
小学生のズズだったら、学校で、みんなと相談してみるといいかもしれない。
地震で、色々なものが足りなくなっている小学生がいっぱいいるから。
その気持ち、同じ小学生に伝える方法が見つかるんじゃないかな。
そうやって、支えたいという気持ちを大事にしてね。
支えたいという、人を思いやる気持ちをしっかり育てたい。
人を思いやれる人は、人を信じられる。
人を信じられる人は、人を思いやれる。
だから、みんなで支えあえる。
力を合わせられる。
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